みやざきアートセンターにて開催した『原田治 展「かわいい」の発見Osamu Harada: Finding “KAWAII”』、内覧会と初日をレポート!
昨年の12/16 (土) から1/28(日)まで宮崎県宮崎市のみやざきアートセンターにて『原田治 展「かわいい」の発見Osamu Harada: Finding “KAWAII”』が開催されました。本展を心待ちにしていた学生やカップル、家族連れが訪れ、幅広い世代のOSAMU GOODSファンで会場は連日盛況でした。
みやざきアートセンターは、中心市街地活性化基本計画により建てられた文化公共施設です。展示スペースや小規模ホールに加え、文化芸術に関する書籍を無料で閲覧できるライブラリー、ワークショップを行う創作アトリエ、親子で利用できるキッズルーム・プレイルームを備えています。
子どもたちや若い世代が文化・芸術を親しめる場を作りたい、誰もが気軽に利用できる場を提供したいという宮崎市の願いが込められ2009年に誕生しました。
内覧会では地元の園児と保護者が招待され 一足早く“かわいいの発見”を体験。またmrt宮崎放送や宮崎日日新聞の取材撮影が行われ賑やかな開幕となりました。初日には地元中学校に通う美術部の学生たちが教員に引率されて本展を熱心に鑑賞していました。
みやざきアートセンター3階のキッズルーム・プレイルーム。宮崎県の杉を使用した木製遊具で遊ぶ子どもたち。室内には授乳室が備えてあり、希望者にはお湯を提供しています。赤ちゃん連れの保護者が安心して集える場になっています。
Introduction
1970年代後半から90年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「OSAMUGOODS(オサムグッズ)」の生みの親、原田治(1946–2016)。
50〜60年代のアメリカのコミックやTVアニメ、ポップアートなどから影響を受けたイラストレーション―とりわけ、簡潔な描線と爽やかな色彩で描かれたキャラクターたちは、その後の日本の“かわいい”文化に多大な影響を与えました。
没後初の全国巡回展となる本展では、イラストレーターとして活動するきっかけとなった、1970年代「an・an」の仕事をはじめとして、広告・出版・各種グッズなど多分野にわたる作品を中心に、幼少期~20代前半の初期資料や、エッセイ集『ぼくの美術帖』関連資料も交えて展示し、時代を超えて愛される、原田治の全貌に迫ります。
展覧会が始まります
-
ジルとジャックのラッピングが施されたエレベーターで会場の5階へ。
-
5階に到着するとジルのネオンサインがお出迎え。展示室1はこちらです。
みやざきアートセンターでは、5階に展示室1と2、4階に展示室3とミュージアムショップで構成されました。
展示スペースはコンパクトですが、余白が心地良い空間で、テーマ作品がスッと目に入ってきます。集中して鑑賞が続けられるよう余白部分に工夫がありました。設計を担当した五十嵐瑠衣さんに本展の会場設計についてお話を伺いました。
「今回はL字型の壁面を使った展示が特徴です。紹介文のキャプションと作品を巻き込み、各テーマがL字型で収まって見える構成にしています。展示室1の雑誌『an・an』の表紙が飾られた「an・an創刊、イラストレーターデビュー」や展示室2の「オールラウンダーのイラストレーターとして」などはL字型の構成です。
展示室が3つに分かれることで、必然的に角になる空間がたくさんできます。その角を利用して各テーマが一度に収まって見えるよう設計しました。展示室1の「ニューヨークへ」はこの特徴を活かしています。
展示に余白部分があるのは、作品がテーマごとの塊になって視界に入るよう狙いがあること、何も飾らない壁があることでお客様は自然と壁に背を向けるため、次に見せたい作品を誘導する役割も果たしています。展示作品が多いと鑑賞疲れにつながるので、適度な余白を作ることで一呼吸置き、それがリズムになって飽きることなく鑑賞が続けられます。
また、みやざきアートセンターの会場は床や壁、天井が白いので、黄色く温かみのある照明に照らされると、全体がふわっとした印象の空間になります。ジルやジャックのネオンサインは白い光なので、対比が面白い効果になりました。」
-
展覧会初日、住吉中学校美術部のみなさんが鑑賞していました。「原田治さんを初めて知りました。イラストレーションが上手な人は、基本のデッサンも上手なのですね。私もかわいい絵が描けるようになりたい、と思いました。」
-
「勤め先に展覧会のチラシがあって、友だちを誘って来ました。OSAMUGOODSは母が好きで身近な存在です。キャラクターだけでなく、いろんなタイプの絵をたくさん描かれていたことを知って驚きました。」
-
TapiocaやPlain Soda、上野動物園など「グッズの仕事」のコーナー。「こんなグッズを作っていたの?知らなかった!」とみなさん興味津々。
-
「原田治ノート」のコーナー(画像中央)では、ブログで登場した雑貨とブログの一文を展示しています。ブログの文章を真剣に読むお客様。
大人気!ぬりえコーナー
-
5階に設けられた「ぬりえコーナー」は初日から大人気。大人も子どももOSAMU GOODSぬりえに夢中でした。
-
本展特製OSAMU GOODSぬりえは4種類。みやざきアートセンターでは、ぬりえ文化が根付いています。
チラ見えするドッグのネオンサイン
-
5階展示室から4階展示室へ移動する際、ドックのネオンサインがちらっと見えます。
-
4階の展示室を見終わって、初めてドックのネオンサインが正面から見られるしかけになっています。
4階展示室へ
特設ミュージアムショップ
「かわいいの発見」コーナーで展示されていたDOGやCATのぬいぐるみを初め、復刻グッズも取り揃えた特設ミュージアムショップは、初日からたくさんのお客様が展覧会の終わりに詰めかけ大盛況でした。
みやざきアートセンターで初めて設置されたオリジナルスタンプ機は、24種類の絵柄とスタンプ台、スタンプカラーを選べるとあって、私だけの “かわいい”作りに挑戦されるお客様で人気でした。
KAWAIIコラボカフェ
会期中、原田治展とまちなかの飲食店がコラボしました!
期間限定でここでしか味わえないオリジナルメニューは大好評でした。
飛鳥珈琲店
ジャックとジルのホットケーキセット…1300円(税込)
●住所…宮崎市橘通西3-9-1 ●営業時間…10:00〜19:30 ※不定休
珈琲ショップ 輪’z
コラボケーキセット…1200円(税込)/クリームソーダ&プリンセット…1200円(税込)
珈琲のアフォガード…1200円(税込)
●住所…宮崎市橘通西3-8-12 ●営業時間…11:00〜20:00 ※毎週月曜日店休日
るり色堂
アイスサンドスコーン…880円(税込)/ティーラテ…680円(税込)
●住所…宮崎市橘通東3-3-3トキワ33 5F ●営業時間…12:00〜18:30 ※不定休
みやざきアートセンター 4・5階
〒880-0001
宮崎県宮崎市橘通西3丁目3−27
- 電 車
- JR宮崎駅下車、西口より徒歩15分。
- バ ス
- 宮崎交通 橘通3丁目バス停下車すぐ。
- 自動車
- 宮崎自動車道宮崎ICより国道220号線を市内方面(北)へ15分。
宮崎空港から20分。
TEL:0985-22-3115
休館日:12月31日、1月1日、1月2日