NEWS

愛媛県歴史文化博物館にて開催中!『原田治 展「かわいい」の発見Osamu Harada: Finding “KAWAII”』の初日をレポートします。

4/20 (土) より愛媛県歴史文化博物館にて開催中の『原田治 展「かわいい」の発見Osamu Harada: Finding “KAWAII”』。開催の3日前に大きな地震に見舞われましたが、被害は少なく無事スタートしました。初日から家族連れや学生が詰めかけ、ワークショップに参加するなど本展を楽しんでいました。

西予市宇和町にある愛媛県歴史文化博物館は、愛媛の歴史や民俗を紹介する博物館です。今年で開館30周年を迎えました。
広い館内は4つの歴史展示室と民俗展示室、生涯学習棟で構成されています。歴史展示では庶民の生活を中心に、原始・古代、中世、近代、近・現代の各時代を象徴する建物や街並みを原寸大で復元。復元された建物に入って雰囲気を知ることができるなどテーマパークのように楽しめます。民俗展示では、愛媛の祭りや芸能、海・山・里における暮らしや、四国遍路の変容を紹介。また歴史文化や生涯学習の講座が開講され、南予地域の拠点になっています。

本展を担当された学芸員の宇都宮さんは「愛媛の近・現代の展示は特に人気があります。実際に体験したり知っている方がいると、自然と当時の思い出話になって話題が盛り上がるようです。『原田治展』も同様に、幅広い年齢層の方に楽しんでいただける企画展です。ご家族・パートナー・ご友人同士で、当時を思い出したり新しい発見をしたりと、展示を通して会話が盛り上がるきっかけになればと思っています。」

本展とともに愛媛の歴史文化に触れられるこの機会をぜひご体感ください。

緑豊かな丘の上にある博物館。こちらが入り口です。初日に訪れると鶯の囀りが聞こえてきました。

入り口からエスカレーターに乗って、2階エントランスホールへ。木組みの天井から日が差し込み厳粛な雰囲気です。天気が良いと窓から見える森が床に映し出されて床緑に。

エントランスホール奥にはミュージアムショップと、常設展への入り口が。総合案内や観覧券販売は入り口横にあります。

愛媛県歴史博物館は石垣やコンクリート、鉄の扉などで構成された重厚感のある建物です。2階の歴史展示室は前方後円墳を組み合わせたようなユニークな形をしています。

館内は全面ガラスから光をふんだんに取り入れ、光と影のコントラストが心地良い空間です。ベンチなど休憩スペースが多く設けられているので、家族連れにも最適です。

2階歴史展示室では、愛媛の原始・古代から近・現代まで一般庶民の生活を中心に、それぞれの時代を象徴する建物を実物大で復元し紹介しています。スタンプラリーの参加展示室もあるので、この機会に愛媛の歴史文化に触れてみて。

2階から見たジャックのネオンサイン。美しい日が差し込む13時ごろ。ここは展示ゾーンの中心部で1階と2階を繋ぐスロープがあり、常設展示の「祭りと芸能」コーナーをまじかに見ながら通ることができます。

スロープから見た「祭りと芸能」コーナー。愛媛の祭りと芸能・愛媛の郷土芸能を紹介しています。左側は久保田太鼓台に作り付けられた龍。ダイナミックな展示に息を呑みます。常設展示も必見です!

スロープから見えるドッグのネオンサイン。柱の隙間からチラリと見えます。

ドッグのネオンサインは、第1会場と第2会場の間に設置されています。

 
 
 

Introduction

1970年代後半から90年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「OSAMUGOODS(オサムグッズ)」の生みの親、原田治(1946–2016)。

50〜60年代のアメリカのコミックやTVアニメ、ポップアートなどから影響を受けたイラストレーション―とりわけ、簡潔な描線と爽やかな色彩で描かれたキャラクターたちは、その後の日本の“かわいい”文化に多大な影響を与えました。

没後初の全国巡回展となる本展では、イラストレーターとして活動するきっかけとなった、1970年代「an・an」の仕事をはじめとして、広告・出版・各種グッズなど多分野にわたる作品を中心に、幼少期~20代前半の初期資料や、エッセイ集『ぼくの美術帖』関連資料も交えて展示し、時代を超えて愛される、原田治の全貌に迫ります。

EXHIBITION

展覧会が始まります

1階展示ゾーンの中心部にジャックのネオンサインが展示されています。天井のブロックガラスから光が差し込むと、斜め模様が浮かび上がります。

本展は1階の第1会場と第2会場、2階のミュージアムショップで構成されています。展示は建物の印象と同じく重厚感があり、各コーナーはリズミカルに配置されていました。設計を担当した五十嵐瑠衣さんに本展の会場設計や見どころについて伺いました。

「愛媛県歴史文化博物館は他の会場とは雰囲気が全く違っていて、建物に力があるのでそれを活かしたいと考えました。建物の造りとして、しっかりとした柱が立ち並び、壁がグリッド状で綺麗に入っています。構造が分かりやすい建物なので、その造りを踏襲する形で図面を引きました。
建物全体のイメージと合わせて展示を考え、今回はどっしり・しっかりした印象に仕上がるように、厚みのある壁を使用しました。展示壁は45度に回転させてリズムが見えるようにすると、建物を歩いた時に合うと思いました。また天井も高いのでコンパクトになり過ぎないように設計しています。

常設展示室が2階と1階にあり、スロープをぐるっと一回りしながら降りて移動するのですが、その時にジャックのネオンサインが見える仕掛けになっています。常設展を観に来た人には、本展へ誘導するアイキャッチに。ネオン管は1階・2階からも見えるので、スロープを上り下りしてみるのも楽しいですよ。」

定番のフォトスポット、ジルのネオンサインは第1会場の入り口前に設置されています。

初日、一番乗りだったお客様にインタビューしました。「神戸ファッション美術館で開催された本展を見逃して、ずっと行きたいと思っていました。当時は関西にいて、友達の間でOSAMU GOODSが流行っていました。観ることができて感激です」「カルビーのキャラクターも原田治さんの仕事だったのですね。認識せずに知っていた商品がたくさんありました」

右側にはイラストレーターデビューした当時雑誌に描いたイラストレーションのカット、左側にはファッションブランドBIGIのためにイラストを提供したシャツ、その奥の壁は『地下鉄のザジ』の原画を展示しています。展示壁がリズミカルに配置されて、自然と各コーナーへ誘導されます。

博物館の重厚な作りに合わせて厚みのある壁を採用され、どっしりとした印象の展示です。正面に見えるのは1975年ごろに描かれたポスター。

作品集『EXTRAORDINARY LITTLE DOG』に掲載されている『地下鉄のザジ』(1981年作)の原画。

「絵本の仕事」はご家族連れに人気です。現在も販売している絵本があるので、このコーナーで確認して購入される方も。会場は広いため、ベビーカーでの来場も安心してご覧いただけます。

「広告・パッケージの仕事」「OSAMU GOODS」の展示は年代問わず大人気。CMや店頭で見かけた・知っている商品があると会話が弾みます。原田治さんが手掛けていたと知られていない商品もあって、発見が楽しいコーナーです。

「OSAMU GOODS」のコーナー。「スクールバックは当時、学生に大人気だったのよ」とグッズについて解説するお母様。OSAMU GOODSはイラストレーションだけでなく、パッケージやロゴタイプ、形や素材に至るまで、すべての要素を原田治さん自らデザインし数千点のアイテムを製作しました。

第1会場、折り返し部分のコーナー。左側は1970年代ごろの『ビックリハウス』イラスト原画の展示、右手奥には自分のために描いていたアブストラクトの作品を展示しています。

会場の奥行きや高さを活かした展示は、ゆったりとした気分で作品に集中しながら鑑賞を楽しめます。

 
 
 

スタンプラリー開催中!

館内設置されたスタンド4箇所でスタンプを集めると、自分で色を塗って作られる缶バッヂをプレゼント中です。スタンプは「原田治展」が開催されている1階企画展示室、愛媛の民族・祭りと芸能を展示した民俗展示室1、2階愛媛の原始・古代を展示した歴史展示室1、近代を展示した歴史展示室3に設置されています。

※缶バッヂは12種類の絵柄の中からランダムでお渡しします(お渡しする絵柄は期間ごとに異なります)。※スタンプラリー台紙が無くなり次第終了です。

  • 「原田治展」を観覧する方にスタンプラリーブックを配布しています。

  • スタンプラリーブック作成コーナーは「原田治展」の入り口前にあります。

  • スタンプ設置箇所は、キャラクターの入った赤いパネルが目印です。

  • 缶バッチ作成コーナーは2階エントランスにあります。

  • 缶バッチ用の絵柄をもらい、お好きな色で塗り絵を楽しんでくださいね。

  • 色を塗った絵柄をスタッフに渡して、缶バッチの完成!

第2会場

「DUSTY MILLERのOSAMU GOODS」より。ジョージー・ポージーの原画を観ながら「この絵は手描きなんだよ!」「どうやって描いたんだろう?凄いね!」と親子の会話が弾んでいます。

第2会場入り口からの眺め。「DUSTY MILLERのOSAMU GOODS」と「マザーグース」の奥に、チラ見えする「かわいいの発見」コーナー。

英国発祥の伝承童話「マザーグース」がOSAMU GOODSのキャラクターのベースになっています。生き生きとした線で描かれたこの赤ちゃんは「DANCE TO YOUR DADDY」が着想源となりました。

「かわいいの発見」ではグッズの入れ替えは行っていません。毎回同じグッズを観ているはずの関係者も「こんなグッズありました?」と発見するほど見応えがあります。

原田治さんのお気に入りキャラクター、ZAZIEちゃん。『地下鉄のザジ』(1960年)は治さんが高校生の頃「かわいい」の洗礼を受けたフランス映画。主人公のZAZIEを1980年代初めにOSAMU GOODSの新キャラクターとして登場させました。

左側、観覧中のご家族。お母様は子どもの頃、赤川次郎さんの小説が好きで表紙絵を原田治さんが描いていたこともあり、集めていたそう。本展で懐かしい表紙に出会って大感激。OSAMU GOODSや当時のことをご家族に解説しながら「かわいいの発見」を楽しんでいました。

ペールピンクのパイル地で作られたビーチバック。シェル型とマーメイドのジルを組み合わせた絵柄がかわいい。

「かわいいの発見」の後には、治さんからのメッセージが込められた展示ブースがあります。

OSAMU GOODSのキャラクターたちに、5%ほどの淋しさや切なさがあるなんて。改めて展示を見直したくなる言葉です。

黒澤明監督の原水爆の恐怖を取り上げた社会派ドラマ『生きものの記録』について描いた、朝日新聞の仕事を真剣に見つめるふたり。かわいいく楽しい展示の後だからこそ心に響くメッセージです。

 
 
 

ミュージアムショップ

2階エントランスホールにあるミュージアムショップでは、DUSTY MILLERの復刻グッズや、愛媛県歴史博物館で先行販売されたROOTOTEコラボのbabyroo ami、一澤信三郎帆布コラボバッグなどの新商品、定番商品が販売中です。グッズの詳しい情報は下記からご確認ください。

会期中のイベント&ワークショップ

  • 砥部焼 絵付け体験お皿に“KAWAII”を描いてみよう!【事前予約制(先着)】

    6月8日(土)13:00~15:30
    6月9日(日)10:00~11:30/13:00~15:30
    ※受付は各回の終了時刻30分前まで
    定員 各回30名
    会場 エントランスホール
    参加費 1,700円(友の会会員は1回のみ1,500円)
    ※別途送料が必要です(目安:四国内・1~4枚までの場合、1,000円)
    ※このイベントは現金のみのお支払いになります

ワークショップ

会期中の土曜・日曜・祝日10:00~11:30/13:00~15:30
会場 こども歴史館
※各ワークショップは材料が無くなり次第終了します
※各ワークショップの友の会会員割引は期間中1回のみ有効です

  • シルクスクリーン de “KAWAII”ハンカチをつくろう! 材料費 500円(友の会会員は1回のみ450円)

  • キラキラ“KAWAII”キーホルダー 材料費 400円(友の会会員は1回のみ350円)

レストランコラボメニュー

2階レストランでは、『原田治 展「かわいい」の発見Osamu Harada: Finding “KAWAII”』開催に際して、特別限定メニュー“カワイイ”パンケーキセット(選べるドリンク付き)を販売中です。期間・数量限定となっておりますので、この機会をお見逃しなく。

“カワイイ”パンケーキセット【期間・数量限定】800円(税込)
期間 4月20日(土)~6月16日(日) ※休館日を除く/時間 10:00~14:30/場所 レストラン
※平日10セット、土・日・祝20セット限定。※画像はイメージです。※通常メニューはレストランページでご確認ください。詳しくは会場HPまで

ぬりえコーナーやフォトスポットも

  • 2階体験学習室では、ぬりえコーナーが設置されています。展覧会後はお気に入りのキャラクターのぬりえを楽しんで。

  • エントランスホールに設置されたフォトスポット。OSAMU GOODSキャラクターを背景に、記念の一枚を撮影してね。

愛媛県歴史文化博物館 企画展示室

〒797-8511
愛媛県西予市宇和町卯之町4-11-2

車 
松山自動車道 松山ICから西予宇和IC経由で約50分。
駐車場 普通車156台、大型8台収容 をご利用ください。
電車
JR松山駅から (特急約1時間) JR卯之町駅下車、その後はバス (下記参照)、またはタクシーをご利用ください。(約5~10分)
バス
JR卯之町駅から歴史文化博物館行きバス、博物館前下車。
伊予鉄道・松山市駅前から (特急約1時間15分)
宇和島自動車卯之町営業所下車、卯之町営業所から徒歩で約15分。

TEL:0894-62-6222 (代表)

URL:https://www.i-rekihaku.jp

関連記事

RELEATED NEWS

最新記事

LATEST NEWS

NEWS TOP