OSAMU GOODS STORY

Vol.14

MAKING OF OSAMU GOODS

KEY RING

来年は犬年 (※2006年制作の原稿です)。実はぼくも犬年で、おまけに還暦です。そこでぼくの犬の思い出話をひとつ。

子供の頃、最初にいたのが雑種のポニーという犬でした。温厚な性格で誰にでもなついて、大人になっても童顔の可愛い犬でした。
ある時、他所から親父がグレートデンという種の洋犬の仔犬を、知人に押し付けられて貰ってきました。クンと名付けられたそのコは、どんどん成長して巨大な仔犬になりました。成犬は仔牛くらいになるとのこと、珍しいので近所の人も見に来たり、うちは商売屋なので大勢いた従業員の人達にもチヤホヤされていました。

そこで雑種のポニーは自分の人気がなくなったと考えたのか、可哀想に家出をしてしまったのです。ぼくは悲嘆にくれて、毎日メソメソと泣き明かしていたのですが、ひと月を過ぎた頃、やせ衰えて毛も抜けてボロボロになったポニーが突然帰ってきたのです。そのポニーを抱きしめたときは、ほんとに嬉しかった。
あれから50年も経って、長生きしたポニーは老衰でとっくにいないのですが、あの時の胸いっぱいの喜びだけは、今でもありありと思い出すことが出来るのです。

クンも元気で可愛かったけれど、大きくなりすぎて、うちの狭い庭では飼いきれなくなったのか、6ヶ月で親父はプロ野球の選手の人に貰ってもらいました。その後、ほんとに大きく仔牛並みになったクンの写真をもらいました。