collectable book
OSAMU GOODS STYLE
日本のキャラクターグッズの原点ともいえる「オサムグッズ」。1万点を超えるその作品の中から、原田治氏自身が選んだ200点を紹介した幻の作品集(2005年刊)の待望の復刊です。初版発行後、あらたに執筆された作品エッセイを追加収録した増補改訂の決定版です。
OSAMU GOODS STYLE (増補改訂版)
著者:原田治
出版社:パイインターナショナル
発売日:2021/06/14
ISBN:978-4-7562-5502-0 C0071
定価:本体2800円+税
ハート型のキーリングです。これは2003年、再開発とやらで姿を消してしまいましたが、日比谷のドラッグストア『アメリカン・ファーマシー』というお店への、ぼく自身の勝手なオマージュをデザインしたものなのでした。アメリカは1960年代頃のティーンエイジャー向けによくあった、チープなアクセサリー類の感じを、ぼくなりに工夫したデザインです。このお店へのマニアックな、ぼくの偏愛ぶりは「オサムグッズ スタイル」228頁に詳しく書いたので、輸入雑貨とデザイン好きな方は是非お読みくださいね。
さらに『アメリカン・ファーマシー』というお店は、ぼくの青春時代のフランチャイズでもありました。つまりデートコースですね。ガールフレンドはサングラスやハンカチーフに口紅や香水を買い、ぼくは歯ブラシとチョコレートに文房具を買うといった、可愛らしいデートなのでした。そしてそこに売っていた金属製のブレスレットや指輪、ネックレス、キーホルダー、男子用にはカフスボタンやネクタイピンなどなど、いかにもアメリカらしい大衆的なデザインがぼくは大好きでした。ちょっと安っぽいオミヤゲ的な雰囲気ですが、そこには明るくて若々しくて楽しい気分が横溢していました。古き良き時代というやつですね。
このキーリング、写真のゴールドとミント色の他に、ベビーピンクや淡い黄色、サックスブルーなどがありました。こういう甘ったるい色調も当時の流行色でした。OSAMU GOODSのロゴは、バンクゴシックという書体で、銀行小切手などに良く使われる硬派の文字です。平凡なハート型に日常的な書体で、どこか昔のアメリカ的チープ感が漂っていると思いませんか。それにコニー・フランシスの歌のような感じがする(と思うのはぼくだけか)。このデザインはタオルやTシャツなどにも流用しました。というわけで、これは極めて個人的思い入れの強いデザインなのでした。誰にも分からなかったでしょ、スイマセン。