collectable book
OSAMU GOODS STYLE
日本のキャラクターグッズの原点ともいえる「オサムグッズ」。1万点を超えるその作品の中から、原田治氏自身が選んだ200点を紹介した幻の作品集(2005年刊)の待望の復刊です。初版発行後、あらたに執筆された作品エッセイを追加収録した増補改訂の決定版です。
OSAMU GOODS STYLE (増補改訂版)
著者:原田治
出版社:パイインターナショナル
発売日:2021/06/14
ISBN:978-4-7562-5502-0 C0071
定価:本体2800円+税
ハワイが好きで何度も行くうち、ハワイでオサムグッズの写真を撮ってみようかなと、できたら写真集に仕立ててしまおうかと、ほんの思いつきで、できあがった本がOsamu Goods go to Hawaii(1989年刊)でした。
素人カメラマンのぼくの指導と、編集デザイン兼カメラマンを努めてくれたのは、先輩の新谷雅弘氏(当時、雑誌オリーブのアートディレクター)で、2人で半分ずつ撮影しました。
ぼくは仕事も半分で、泳いだり買い物などでサボって、気がむくとファインダーをのぞくといった名カメラマンなのでしたが、先輩のほうは朝早くから、夜になっても愛用のライカを首から離さず。写真が楽しくてしょうがないという小学生な感じで、もしかしたら寝てる時もカメラをぶら下げているのではないか?というほどの集中力でした。
お陰でカッチリとしてピントがバッチリの写真は先輩の作。上の葉書にも使ったような、ぼくの軽くていい加減な写真という、2タイプが絶妙のバランスで、かの名作?写真集ができあがったようなわけであります。
この犬のTシャツは、今見ると、POPで派手ですよね。でもハワイで女のコが着たら丁度良いのではないかと考えて、ぼくは最初からデザインしていたようなフシがあります。場所もヨットの上で着たらどうだろう?という感じでシャッターを押したような記憶があります。
これはワイキキビーチの近くのヨットハーバーでした。ぼくが勝手ながら停泊中のヨットに、針金のハンガーにかけたTシャツを、引っ掛けようとして前に乗り出し、あやうく海に落っこちそうになったという、決死の一枚にもかかわらず、先輩ディレクターは「ダメだこんなモン」と、この写真を写真集には使ってはくれませんでした。
なので自分で、オサムグッズの暑中見舞い葉書にデザインしてみたのがこれです。
ぼくには(個人的に)思い出の、命がけの写真だったのです。