collectable book
OSAMU GOODS STYLE
日本のキャラクターグッズの原点ともいえる「オサムグッズ」。1万点を超えるその作品の中から、原田治氏自身が選んだ200点を紹介した幻の作品集(2005年刊)の待望の復刊です。初版発行後、あらたに執筆された作品エッセイを追加収録した増補改訂の決定版です。
OSAMU GOODS STYLE (増補改訂版)
著者:原田治
出版社:パイインターナショナル
発売日:2021/06/14
ISBN:978-4-7562-5502-0 C0071
定価:本体2800円+税
子供のキャラクター群を作成する時に、一種の悪役も仲間に入れたら面白いかなと思い、マザーグースの中でも、いたずらっ子の代表ジョージー・ポージー君を選びました。どのくらい悪い子かというと、
GEORGY PORGY
ジョージー・ポージー プディングとパイ
キッスして 女の子たち 泣かせたの。
男の子たちが 出てきたら
というような、弱いものイジメをする、男の風上にも置けない奴なのでした。よく考えたらセクハラですよね、コイツ。こういう困ったキャラクターを、絵では可愛らしく見せることって、これで結構難しいもんですよ。悪いけど憎めないキャラクターにする。
そこで、ちょっと彼には彼なりの、しかるべき理由があってこんなことを仕出かしたのだと、好意的に考えてみることにしました。
まず彼はいつも勉強ばかりしているので友達が一人もいない。ただし親から強いられて勉強するのではなく、数学物理科学が大好きな子供なのでした。3才の時から本ばかり読んでいたので、すでにひどい近眼です。女の子たちからは、そのルックスも、ガリ勉ぶりもダサいとからかわれていたんですね。
そこで彼はいい所を見せてやろうとばかり、お得意の菓子作りで、オリジナルのプディングとパイを女の子たちにプレゼント。それがあまりに美味いので、女の子たちは全員大喜び。
ここで彼がすぐ帰っていれば、この大惨事には至らなかった。
今まで一度も誉められたことのない彼は、つい有頂天になって、女の子たちにサービスのつもりなのか、キスもプレゼントしてあげれば、もっともっと喜ぶに違いないぞと、とんでもない錯覚をした。それこそが彼の運のつき。
と、まァそんな風に、ぼくは自由に想像してジョージー・ポージー君を描いたようなわけでした。今頃、彼はどんな大人になっているのだろうか?ちょっと心配になっちゃうな。