collectable book
OSAMU GOODS STYLE
日本のキャラクターグッズの原点ともいえる「オサムグッズ」。1万点を超えるその作品の中から、原田治氏自身が選んだ200点を紹介した幻の作品集(2005年刊)の待望の復刊です。初版発行後、あらたに執筆された作品エッセイを追加収録した増補改訂の決定版です。
OSAMU GOODS STYLE (増補改訂版)
著者:原田治
出版社:パイインターナショナル
発売日:2021/06/14
ISBN:978-4-7562-5502-0 C0071
定価:本体2800円+税
猫と犬のキャラクターを考えた時にすぐ浮かんだのが、マザーグースのなかでも良く知られた「ヘェイ!ディドゥル ディドゥル」という詩でした。
これもまた意味不明の言葉遊びなのでしょう。説明しちゃうとこんな感じ。
猫がフィドゥル(英米民族音楽などで使われるバイオリンのこと)をひくと、牛が空高く飛んで月を飛び越えた(多分、そのひどい音に驚いたのでしょう)。犬は猫がフィドゥルをひくのを見て大笑い(多分、その姿が可笑しかったのでしょう)。その後、何故かお皿がスプーンを連れて逃げ出しました(多分、あまりにひどい演奏を聴いて、人生観が変わったのでしょう)。
というような訳のワカラン内容なのです。
Hey! Diddle,Diddle,The cat and The Fiddle,という出だしで、ディドゥルとフィドゥルが韻をふんでいますね。音が面白い。
ディドゥルは(ここでは弓を)激しく上下してひくことですね。
これにも絵にするときに、ぼくの個人的趣味を織り込みました。
猫が立ってフィドゥルをひいている場所を、アメリカのカントリーミュージックの総本山、テネシー州はナッシュビルのグランド・オール・オープリーということにしました(マイクの下に垂れ幕あり)。
知る人ぞ知る、ここで演奏できることはカントリーミュージシャンにとって名誉の殿堂入りなのです。
その晴れの舞台で、なんと猫はヘマをやらかしてしまった、と勝手に詩をふくらませて考えちゃったわけです。
もとは英国の詩をアメリカに置き換えたのは、バイオリンをフィドルと呼ぶアメリカ中西部のカントリー音楽をぼくが昔から好きだったからなのでした。
(続く)