collectable book
OSAMU GOODS STYLE
日本のキャラクターグッズの原点ともいえる「オサムグッズ」。1万点を超えるその作品の中から、原田治氏自身が選んだ200点を紹介した幻の作品集(2005年刊)の待望の復刊です。初版発行後、あらたに執筆された作品エッセイを追加収録した増補改訂の決定版です。
OSAMU GOODS STYLE (増補改訂版)
著者:原田治
出版社:パイインターナショナル
発売日:2021/06/14
ISBN:978-4-7562-5502-0 C0071
定価:本体2800円+税
前回のハンプティ・ダンプティの次のページには、塀の上から落っこちたハンプティ・ダンプティが、なにしろ卵なのですから、すぐ割れてしまうシーンを描かなくてはならなかったのです。
しかしどうも原作のままだと可哀想なような気がして、粉々になったハンプティ・ダンプティの絵は描きたくない。なので日本語訳をしてもらう時にぼくから注文をつけさせてもらって、結局ハンプティ・ダンプティは落ちたにもかかわらず、割れちゃうほどの大惨事にはいたらず、軽傷で済んだ事にしてもらいました。
絵では救急車に気絶したハンプティ・ダンプティが運ばれてゆくシーンになっています。この絵本では助かったことになりました。しかし本来の詩の教訓的な意味、一度壊れたものはもう元には戻らない、というのが通用しなくなってしまいました。たとえ話にはならなくなったわけです。
それじゃァダメだろォと誰かに突っ込まれた場合の言い訳に、一度変えてしまった話はもう元へは戻らない、と返答するつもりで待機していたのでしたが、幸いこの件では誰からも文句をいただかずにすみました。やっぱりハッピーエンドのほうがいいもんね。
そして、酒井チエさんの詩は、こうなったのです。
ハンプティ・ダンプティ 塀の上にすわってたの。
ハンプティ・ダンプティ みごとに落ちちゃった。
王様のお馬 王様の兵隊さん
ごめんね、僕たち…あんまりお役にたてなくて。