原田治さんが初めて語るオサムグッズの物語。コレクタブルブック『OSAMU GOODS STYLE』に掲載された中から
思入れ深いグッズを取り上げ、キャラクター誕生秘話やグッズ製作への思い等をご紹介します。

猫と犬のキャラクターを考えた時にすぐ浮かんだのが、マザーグースのな
かでも良く知られた「ヘェイ!ディドゥル ディドゥル」という詩でした。
これもまた意味不明の言葉遊びなのでしょう。
説明しちゃうとこんな感じ。
猫がフィドゥル(英米民族音楽などで使われるバイオリンのこと)をひくと
牛が空高く飛んで月を飛び越えた
(多分、そのひどい音に驚いたのでしょう)。
犬は猫がフィドゥルをひくのを見て大笑い
(多分、その姿が可笑しかったのでしょう)。
その後、何故かお皿がスプーンを連れて逃げ出しました
(多分、あまりにひどい演奏を聴いて、人生観が変わったのでしょう)。
というような訳のワカラン内容なのです。
Hey! Diddle,Diddle,The cat and The Fiddle,という出だしで、ディドゥ
ルとフィドゥルが韻をふんでいますね。音が面白い。
ディドゥルは(ここでは弓を)激しく上下してひくことですね。
これにも絵にするときに、ぼくの個人的趣味を織り込みました。
猫が立ってフィドゥルをひいている場所を、アメリカのカントリーミュージックの総本山、テネシー州はナッシュビルのグランド・オール・オープリーということにしました(マイクの下に垂れ幕あり)。
知る人ぞ知る、ここで演奏できることはカントリーミュージシャンにとって名誉の殿堂入りなのです。
その晴れの舞台で、なんと猫はヘマをやらかしてしまった、と勝手に詩をふくらませて考えちゃったわけです。
もとは英国の詩をアメリカに置き換えたのは、バイオリンをフィドルと呼ぶアメリカ中西部のカントリー音楽をぼくが昔から好きだったからなのでした。
(続く)