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原田治 展 「かわいい」の発見 Osamu Harada: Finding “KAWAII”福岡アジア美術館 レポート

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1970年代後半から1990年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「OSAMU GOODS」(オサムグッズ)の生みの親、原田治。1950~1960年代のアメリカのコミックやTVアニメ、ポップアートなどから影響を受けたイラストレーションーとりわけ、シンプルな描線と爽やかな色彩で描かれたキャラクターたちは、その後の日本の“かわいい”文化に多大な影響を与えました。没後初の全国巡回展となる本展では、イラストレーターとして活動する端緒となった1970年代「an・an」の仕事をはじめとして、広告・出版・各種グッズなど多分野にわたる作品を中心に、幼少期から20代前半の初期資料や、エッセイ集『ぼくの美術帖』関連資料も交えて展示し、時代を超えて愛される原田治の全貌に迫ります。最終日10月18日(日)は17:00まで。

多彩多種なスタイル、日本のイラストレーション界に大きな影響を与えた出版物デザインや広告販促関係の仕事ぶりが、分かりやすく時代ごとに配置されています。
「これも原田治さんだったんだ」と驚きの声があちらこちらから聞こえて来ます。

イラストレーター仲間の安西水丸さん、ペーター佐藤さん、そして盟友のアートディレクター新谷雅弘さんと結成した『パレットクラブ』の展示内容も大好評です。
「OSAMU GOODS」だけではない原田治さんの世界観や深さを知る機会になっています。

リアルタイムでOSAMU GOODSを知らない若い世代の観客が集まっているのも本展覧会の特徴です。デジタルネイティブだからこそ、印刷技術に惹かれるという声も聞こえて来ました。下絵はマッキーマジックペンやはてなマジックペンでありながら、その線描へのこだわりをホワイト修正された原画で知ることができます。細かな色指定はデザイナーの矜持、「カワイイ」の秘密は「デザイナー原田治にあり」。デザイン学校の学生たちがいつまでもいつまでも熱心に眺めていたのが印象的でした。

 

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