Introduction

1970年代後半から90年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「OSAMUGOODS（オサムグッズ）」の生みの親、原田治（1946–2016）。
50〜60年代のアメリカのコミックやTVアニメ、ポップアートなどから影響を受けたイラストレーション―とりわけ、簡潔な描線と爽やかな色彩で描かれたキャラクターたちは、その後の日本の“かわいい”文化に多大な影響を与えました。没後初の全国巡回展となる本展では、イラストレーターとして活動するきっかけとなった、1970年代「an・an」の仕事をはじめとして、広告・出版・各種グッズなど多分野にわたる作品を中心に、幼少期～20代前半の初期資料や、エッセイ集『ぼくの美術帖』関連資料も交えて展示し、時代を超えて愛される、原田治の全貌に迫ります。

【画像左】岡山市の新しいランドマークとして誕生した超高層のリットシティビル。【画像右】JR岡山駅から東西連絡通路した、リットシティビル入り口からエスカレーターを上がった南棟4階が会場です。

展覧会が始まります

親子でOSAMU GOODSファンの方、大ブームが巻き起こった80〜90年代当時を知らない10代〜30代の女の子グループ、中・高校生の頃OSAMU GOODSを集めていたファンなど、初日から沢山の方が来場され、展覧会の注目度合いを感じました。様々な年代に愛されるのはOSAMU GOODSや原田治さんが手掛けてきた仕事に普遍性があるからでしょう。作品のひとつひとつを見逃さないよう、丁寧に鑑賞されている姿が印象的でした。原田治さんが様々な画風でイラストレーションを描いていたことをこの展覧会で初めて知られる方も多く、その魅力を再発見できる機会となっています。

会場に入るとパッと目に飛び込んでくる、カラフルなイラストレーションの壁紙。原田治さんが大学卒業後、アメリカ・ニューヨークで約半年間暮らした際、ノートに描いていたプッシュ・ピン(※1)風のカットが展示されています。
(※1)1954年、シーモア・クワスト、ミルトン・グレーザー、レーノルド・ラフィンズ、エドワード・ソレルによって、ニューヨークで結成されたグラフィック・デザイン集団、プッシュピン・スタジオ。イラストレーションを重視したカラフルでウイットに富んだグラフィック・デザインは「プッシュ・ピン・スタイル」と呼ばれた。

ご存じでしたか？ケースに飾られたノートの絵は、各会場ごとに変わっているんですよ！ぜひチエックしてみてくださいね。

雑誌「an・an」1975年4月20日号 切抜きより。イラストレーターの佐藤憲吉（ペーター佐藤）さんと共同で仕事をすることが多かった初期の作品。

1970年代ごろに雑誌「an・an」で掲載されたコーナータイトルロゴ。細やかに描き込まれているので、近づいて見入ってしまいますね。

雑誌「an・an」1972年2月5日号イラスト原画。

雑誌「an・an」1975年4月20日号の挿絵原画。表情、ファッションやヘアスタイル、ポーズに「かわいい」が詰まっています。巧みに使い分けされたスクリーントーンで、モノクロのイラストレーションもPOPな印象で、古さを感じさせない原田治さんのセンスに脱帽！

1975年頃に制作されたポスター。当時流行していたアール・ポップ調(軽いジョークを好む乾いた都市的感覚)でファッションや女性を生き生きと描いています。

原田治さんはイラストレーションやキャラクター制作にとどまらず、絵本の創作や、単行本・文庫本の装幀を数多く手掛けました。何が今の子どもたちに必要か？という視点で制作された絵本は、現在でも読むことができます（福音館書店の『かさ』など）。装幀は抽象画のようなスタイルを多用し、本の内容を想像させる要素は最小限にとどめることをポリシーとしていました。児童心理やブックデザインにも精通していた原田治さん。ぜひ会場でお確かめください！

 

岡山シティミュージアム　4階企画展示室

会　　　期

2022年11月19日（土）〜12月25日（日）まで

入 場 時 間

午前10時から午後6時まで（最終入場は午後5時30分まで）

休　館　日

毎週月曜日

入　場　料

【当日券】一般（大・専門生含む）1,000円　中・高校生500円

 

※小学生以下無料
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をご持参の方と付添人1名無料。
　 その他詳細については、岡山シティミュージアムHPをご覧ください｡

主　　　　催

原田治展 実行委員会（岡山シティミュージアム、山陽新聞社）

協　　　　力

コージー本舗／トムズボックス／パレットクラブ

特　 別　 協　 賛

プレミスト岡山ザ・レジデンス

後　　　　援

岡山県／岡山県教育委員会／岡山市教育委員会／公益財団法人岡山県郷土文化財団／公益社団法人岡山県文化連盟
岡山市連合婦人会／NHK岡山放送局／RSK山陽放送／OHK岡山放送／TSCテレビせとうち／RNC西日本放送／KSB瀬戸内海放送
oniビジョン／倉敷ケーブルテレビ／FM岡山／レディオモモ／FMくらしき

企　 画 　協 　力

世田谷文学館

企　 画 　制 　作

コスモマーチャンダイズィング

会 　場 　設 　計

五十嵐瑠衣

アートディレクション

服部一成

※来場時は必ずマスクをご着用ください。その他感染症対策について公式HPで必ずご確認の上ご来場ください。
※新型コロナウイルス感染拡大状況により会期などが変更となる場合がございます。