原田_(表紙カバーのそでを会場に見せながら)綺麗ですよね、編み点とストライプが重なってね【4】。
伊藤_まぁあの…あんまりね、大げさなものにならないように、って言ったらヘンですけど…OSAMU GOODSの良さでもある"軽さ"とか"明るさ"とか"楽しさ"みたいなものが、そのまんま本になればいいなと思ったので、あまりとにかく大げさな本にしないように、ということだけを気をつけて。
原田_いいですね。そういう所がすごくいいと思います、僕も。
伊藤_ありがとうございます。
原田_これも帯にタイトルがあるだけで、とっちゃうと表紙に何もないの【2】。
会場_あぁ(どよめき)
原田_これ、いかにもOSAMU GOODSらしいなって思ってます(笑)
会場_ふふふ(笑)
伊藤_なので、この本自体がGOODS、だったらいいなって思って、作った本ですね。
原田_そうですね。この写真も(本の見返し・遊びの部分)【5】昔撮ったやつなんです、ハワイの。これも最初に扉の所まで口絵みたいな感じでね、写真を使って。これも面白いなと思うんですよね。
伊藤_ちょうどこの辺の(といって背後にある『OSAMU GOODS GO TO Hawaii』の写真を指差す)。
原田_そうですね。これもあの(といって本の扉を開いて見せて)ドットの返しがこうきて色がちゃんと合ってるのね、写真とね【6】。これ【7】凝ってますね、ここね(といって見返しを指差す)。
伊藤_そうですね(笑)
原田_この※表3(※見返し部分のこと)のとこ。これは『オペーク』?
伊藤_『オペーク』ですね。
原田_この表紙の紙が、片側が白くて片側がグレーのボウル紙ですね。
伊藤_そうですね。
原田_…何ボウルって言うんでしたっけ、これ?ボウル紙ですよね?
伊藤_まぁ…ボウル紙ですね、クラフト紙、みたいなものですけどね。
原田_OSAMU GOODSでよく使ったんですけども、そんな高い紙ではないんですね。片側白で片側がこう、グレーなの。これはあの『オペークインク』って言って不透明インクでもって、一色で白で刷っていったの、ちょっと透かした感じになる。透かし彫りみたいな感じになりますよね。そういう所がすごく凝ってるなと思いますね。
伊藤_ありがとうございます。まぁ、今だとわりと普通のつるっとした紙の方が、実は安かったりするんですけど、かえってこういう紙の方が高かったり…
原田_ホント、そうかもしれないね。
伊藤_そうですね。特殊な紙だと意外と…
原田_使わないからね、あんまりね。
伊藤_そうですね。なので印刷もその分、ちょっと再現性も良くはないんですけど…
原田_そうでしょうね。これね。
伊藤_その分、結構味がでるかなと。
原田_後ここの所【8】…犬(スクールバック)の写真なんですけど、犬連れ込むなっていう標識のとこね…これハワイのオワフ島なんですけど、これ(右ページ)に、この犬の原画を合わせるっていう。
伊藤_(笑)はい。
原田_ここに(ページ左下)書いてもらったんですけど、アタリケイって言って、実際に使った時はこの線は消えちゃうんですよ。色だけになる。わざと版下だけ見せた。こういう形で見せたことはなかったんですね(笑)
伊藤_そうですね。まぁ、こう…"舞台裏"みたいなものですよね。こういうのは。
原田_面白いと思いました、これがまた。
伊藤_この本の為に、原田さんの方から沢山昔の原画を戴いて。
原田_そうですね。
伊藤_あれがまぁ、逆に…もう実は、凄い良い、良いものが結構多かったって感じがありましたね。
原田_この原画【9】(カラーのハンプティダンプティ)もあったんですね。これね。
伊藤_そうですね。ありましたね。
原田_これ、一番最初に描いたヤツ。何十年前かに。これも本の為に描いたヤツです。最初はこういう風に描き込んでたんですね、一番最初は。最初の一年位でしたけど(笑)
伊藤_うんうん。
原田_これだと、いろんな物にプリントする時に4色使わなきゃいけないとか…
伊藤_あー、はい、はい、はい。
原田_新製版の時に上手くいかないとかあるんで、それでこういう単純なものに、1色とか2色でも出来るようにしていったんですね。
伊藤_うんうん。
原田_これ【10】(ブックスタンドの写真)、縦にしたんですか?横のヤツを…(笑)
伊藤_そうですね(笑)
原田_ここの所も【11】全部版下なんですね。これね。だから、アウトラインがこれ、実際は消えちゃうんですね、印刷すると。あの、物に使うときは。
伊藤_そうですね。まぁ、版下って印刷用のあれですもんね、原画ですからね。
原田_原画ですね。
伊藤_印刷になると全然変わってしまって。
原田_こうやって見ると、結構良いなって思いましたね。で、ここが扉になりますね【12】。
伊藤_そうですね。