原田_だから消去法でイラストの仕事をだんだんしなくなっちゃって。で、キャラクターになるんですけども。結局、OSAMU GOODSはデザインまでしてたんだけれども…途中で『ミスタードーナツ』の仕事をやるようになってね。
伊藤_はい。はい。はい。
原田_あれはドーナツを売るための販促の景品ですね。それを平行しながらやってて。やっぱり、OSAMU GOODSの出る個数って限りがあるんですけども。景品になると100倍とか1000倍くらいのロットになる。
伊藤_全然桁が違うんですね。
原田_ほとんど中国へ注文したりで。
伊藤_中国へ。
原田_それでエスカレートして、だいたいピークの時は4~500万個くらい作るんですよ。
伊藤_うぅーん。
原田_1回のキャンペーンで。
伊藤_はい。はい。はい。
原田_そんな数、やったことないですから。OSAMU GOODSは1万個売れただけで、もう凄い売れた!って大喜びしてましたけどね。
伊藤_大変なヒット。
原田_それがいきなり4~500万売れるっていうのになっちゃって。
伊藤_うぅーん。
原田_しかも僕はそのデザインもしてない。色指定は広告代理店がやるんですけども。
伊藤_うぅーん。
原田_一生懸命やってるけれど、更に原価を落とすために色を3色使いたいけど2色にするとかね。
伊藤_うん。うん。うん。
原田_そういうことやってたんだけど、だんだん手を引いて。
伊藤_うん。うん。うん。
原田_で、まぁ…デザインも辞めちゃって。
伊藤_うん。
原田_ずっとその後はだから…ほとんどOSAMU GOODSで覚えている人は、あんまりいないと思うんですよね、今。皆さん、ほとんどドーナツ屋さんかなと思います。
伊藤_それだけ…それぐらい凄い影響力だったんですね。
原田_凄かった。年間…あんまり数が多いんで、1年に3回だけ、3クールでしたっけ、3つくらいのキャンペーンにしてもらったんですよね。それすると1万個以上になっちゃうんですよね。
伊藤_うぅーん。
原田_それが10年くらい続いたんで…。だからもう、他のこと、やる気しなくなりました。
伊藤_(笑)
会場_(笑)
伊藤_それはもう、完全にあれなんですか、原田さんはあまりそこに…販促品作りはタッチしてなかったんですか?
原田_一切。全部決められたヤツに「女の子の顔が欲しい」とか言われて、ただ原画を…マジックで描いたヤツ。それを渡してただけ。後はどうなるか、全然分からない。
会場_ふうーん。
伊藤_じゃあもう、お店でそういうのが出てきてハッと分かる、みたいな。
原田_そうですね。ドーナツ屋さんに行ったことないんで…
伊藤_(笑)
会場_(笑)
原田_後で送ってもらえて。箱ごと送ってくるんです、いつもサンプルを。
伊藤_まぁ、こういう販促品ってとにかくね、沢山、作れば作るほど、ひとつひとつコスパは安く作るから…逆に、本当にOSAMU GOODSはまぁ小ロットじゃないですか。
原田_はい。
伊藤_グッズにしてね。だから…贅沢なんですよね。
原田_はい。そうなんですよね。本当にマニアックなものだと…思いますね。
伊藤_ですよね。で、まぁ…先程原田さんがおっしゃったように、その…色数をね、多くすれば多くする程コストにかかってくるから…
原田_かかってきますね。
伊藤_どうしてもその、色数を少なくしていくことが逆にね、グッズとして面白くなっていくことも…?
原田_それもありますね。工夫しますからね。
伊藤_そうですよね。なので、そういう意味ではね…やっぱり、ドーナツでタダで貰ってるものと、やっぱりファンシーショップで買ったOSAMU GOODSと、似てる様で全然違うっていうか。
原田_高いけど、買ってくださった方は、やっぱり嬉しい感じがしますけどね。景品で…ドーナツで…タダで貰えるっていうのは…
伊藤_ちょっと…違いますね(笑)
原田_…(笑)
会場_(笑)
伊藤_まぁね、ドーナツを入口にしてOSAMU GOODSの方にいく方もいらっしゃるでしょうけれど。
原田_そうですけどね。
会場_(笑)
伊藤_(笑)
原田_こないだ、最後にやったのは…何とかライオンとかいうヤツ。
会場_ポンデライオン。
原田_ポンデライオンってヤツね。それ、広告代理店で作ったキャラクターなんですね。ドーナツの格好した…多摩美の後輩らしいんですけど。それを、私のバージョンでやりたいっていうんで…
会場_へぇ…
原田_その…ドーナツの形したライオンを描かないきゃいけないんですよね。
伊藤_あぁ、なるほど。
原田_顔は私が描くっていうので、考えたら簡単なんですけどね。すぐできちゃいそうなんだけど…。食べたことなかったんで…
伊藤_あぁ、それを、ですね。
原田_どんなものかなって送ってきたヤツを食べてみました。
伊藤_古き良きアメリカの時代のドーナツとは又違ったニュアンスで。
原田_ドーナツ屋さんの景品はドーナツを描くって事は余りなかったんですけど、その時、初めて描いた時は…やっぱりなんか、難しかった(笑)
会場_(笑)
原田_締め切りになって、電話かかってきた時にもう…急いで描いたんです(笑)
伊藤_ふふふ(笑)
会場_(笑)
原田_まぁ大体そんなもんなんですね、キャラクターなんてね。閃き、一瞬的なものだと思うんですよね。
伊藤_そうですよね。
原田_そういうもんだと思うんですね。OSAMU GOODSの場合、自分がちょっと、こだわりすぎたってとこがあって。
伊藤_あぁ…
原田_ここをこうしたら値段が高くなっちゃうなーと思うけども、でもいいんじゃないの?って感じでやってきたんで。
伊藤_うん。うん。うん。
原田_結構、楽しめました。
伊藤_まぁ、そういう物を買ったファンの方々がここにいらっしゃる訳ですからね。凄い影響力ですよね。
原田_ありがとうございました(笑)
伊藤_あははは(笑)
会場_(笑)
原田_高いもん買わせちゃったなぁ(笑)