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OSAMUGOODS NEWS

2018-05-01 『原田治さんとグルーヴィジョンズ 伊藤弘さんによるトークショー』Vol.04。今回はOSAMU GOODS売り場の話から、治さんが子どもだった頃の東京の話へ。そして可笑しく進化していったファッション、日本式"IVY"についても。

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内田_先生、まだまだ聞いていたいんですけども…
原田_あはは(笑)
会場_(笑)
内田_よく覚えていらっしゃいますね、流石にお洒落でいらっしゃると思います。じゃ、そろそろ質問コーナーに…
原田_質問コーナーにしましょう。
内田_では、原田先生にこれを聞きたいということがおありになる方、どうぞ挙手してください。…はい、どうぞ。
会場の方_イラストだけではなくて、例えばブランディング?というところでも、先生はされていると思うんですけども、そういったところの才能もあったんじゃないかというふうに思ったんですけど…例えば『ダスティミラー』というネーミングですとか、その『ダスティミラー』に対して『OSAMU GOODS』っていう全く日本名のグッズ…
原田_あの…『OSAMU GOODS』って名前を考えたのは、グッズを作る訳だから"GOODS"を下に付けようと思ったんですね。いろんな…英語の…誰でも知ってるような。知らないのだとちょっと覚えられないだろうと思って。普通名詞を付けると特許の…商標登録が降りないんですね。ほとんど。
会場_あー。
原田_既に登録されているから。それで自分の名前を付けてみたら、すぐ取れたんですね。
会場_あははは(笑)
原田_格好悪いけど、いいか、と思って(笑)あの、商品化する場合にはね、商標を…
伊藤_はいはい。商標ですね。
原田_商標を取らないとだめなんですね。それで特許庁に出て、紙モノは何類、ビニールは何類、プラスティックは何類、金属は何類って、部類ごとに許可を取らないと…雑貨は全部作れないんですね。まず、それでひっかかっちゃって。
伊藤_なるほどなるほど。
原田_で、どしたらいいかっていうんで…個人名つければほとんど通るんだって。理由は単純…(笑)
伊藤_そう…ですけど…、今から考えると『OSAMU GOODS』っていうネーミングって結構、大胆は大胆ですよね。
原田_そうですよね(笑)もうひとつはね。
伊藤_はい。
原田_『コージー本舗』だったでしょ?
伊藤_はいはいはい。
原田_"こばやしこうじ"さんって人が、社長で、先代の。だから『コージー本舗』ってなっちゃった。だからいいなぁと思って。そのネーミング、僕はいいなぁって思ってたんですよ。『コージー本舗』かわいいなって。その、今の社長のおじいさまが会長さんだったかな?"こうじ"さんって名前なの。
伊藤_まぁ…オサム商店、みたなものですよね。
原田_そうです。それで…浅草に住まわれてて、下町風のおじいさんだったんですよね。かわいいなぁと思って。本当、良い名前だなって思いましたね。最初はなんだかヘンだなって思ったんですよ。なんでこんな名前にしてんのかなって思って。本人見たら、気にいっちゃって。
伊藤_なるほど。
原田_で、『OSAMU GOODS』でいいか、とか思って。
伊藤_なるほど!
原田_ふふふ(笑)
伊藤_その時って「このOSAMUっていうのは一体誰なんだ?」って話にはならなかったんですか?その…こう…買われてる…人たちの間では。原田さんって人がいることは知ってる…
原田_半分、どっかにそういうことを言ってるから…
伊藤_じゃあ、原田治さんが作る"GOODS"ってことで、みんな分かってた訳ですね?
原田_と、思いますね。イラストの方では名前を知ってる人は…
伊藤_あぁ。
原田_これが作り出したんだってことは分かってくれたと思うんですね。
伊藤_なるほど、まぁそうですよね。
原田_あんまり優れたブランディング、とは思ってないんですけど(笑)
伊藤_いやいやいや。
原田_長く続くなんて思ってなかったんですから、最初は。思いつきでやってみた。試しにじゃぁ『OSAMU GOODS』って。後は…商標登録はそれでとれたんだけれども、キャラクターっていうのは著作権がないのに気がついて。それでしょうがなくて、著作物を一冊つくればそれで著作が出ててくれる、著作権が付くっていうんで、『マザーグース』は版権いらないですから、詠み人知らずだから。勝手に使えるんですね、文章を。で、絵の方を僕が描いて、絵本を一冊作れば【1】著作物ですから、誰が描いたって名前が載りますよね。そうするとそれ、著作権が発生するんです。
会場_あぁ!
伊藤_うんうん。
原田_勝手に使ったりすると、そこで突っ込めたりするので。だから商標と著作権で争う、なんかあった時には。実際それやって…結構…まねされた…っていうかパクリがいっぱいあったんですね、最初の方で。
伊藤_はいはいはい。
原田_そういう時はコージーが弁護士を立てて商標権とか著作権でもって持って、争わなきゃならない。
伊藤_その時、本が一冊あった方が強かったんですね。
原田_強かったですね。
会場_ふーん。
伊藤_物だけだととにかくまねされて…
原田_そうなんです。
伊藤_いくらでもコピーされるんで。
原田_デザインだけまねされるっていうのも結構ありましたよね。
伊藤_ふーん。
会場_ふーん。

【1】『OSAMU'S MOTHER GOOSE』の誕生には、グッズを作る為に著作権が必要だったからという事情があったのでした。

内田_先生、『DUSTY MILLER』の由来について。
原田_『DUSTY MILLER』っていうのは、『コージー本舗』っていう所は製造メーカーなんですね。『コージー』が『OSAMU GOODS』を作って『コージー』はメーカーだから、売れないんですね。
伊藤_うんうんうん。
原田_問屋さんなんかにつけまつげを卸してましたから。で、化粧品店に行く訳ですね。
伊藤_うん。
原田_製造元が『コージー本舗』です、売るのも直販で売りたかったんで…子会社を作ってもらって、『コージー本舗』の子会社が同じ会社なんですけれども、その中の営業部みたいのを作ってもらって。で、営業の人が売りに歩くんですね(笑)直販ですから、直接お店に持っていって「置いてください」って、委託してくる。
伊藤_うん。
原田_それで…そういう会社を作らなきゃいけないっていうんで、名前だけでいいっていうんで…それで『ダスティミラー』って名前に。適当に思いついた(笑)
会場_(笑)
内田_植物図鑑で…
原田_あ、そうですね!英語の名前がいいなと思ったんですね。植物図鑑を見てたら『ダスティミラー』っていうのが"粉挽き小屋"っていう意味があるらしいんですけども、かわいいなと思って。
伊藤_うん。
原田_後、『コージー本舗』っていうのはニューヨークにも…支社なんでしょうかね?なんかあったんですよね。元々。
伊藤_本当にあったんですね?
原田_本当にあったの。だから、ゆくゆくはニューヨークでも。ニューヨークにありましたから、事務所が。向こうでも売ってもらおうと思うんで…
伊藤_うん。
原田_NEW YORK TOKYOにしたんです。
伊藤_ふーん、なるほど。
原田_『DUSTY MILLER NEW YORK TOKYO』【2】って名前にしたんです。実際は何も売らなかったんですけど、ニューヨークでは。知らない人はアメリカのものかと思った人もいっぱいいたと思います。
伊藤_でしょうね。そういうひとつひとつが結構ね、積み重なって、こうなる訳ですからね。
原田_だから、なんとなくいい加減な感じでできちゃったんです。
伊藤_でも、何か、いい加減というか、遊びながらやってるって感じが伝わるんですよね。
原田_楽しい感じが伝わるんじゃないかなと思うんですよね。楽しんでましたから。はい。

【2】雑誌『anan』に掲載されたOSAMU GOODS最初の広告より。『DUSTY MILLER』のロゴの下に"NEW YORK・TOKYO"とある。

内田_では、そろそろお時間になりますので、伊藤さんと原田先生から最後に一言お願いします…
原田_はい。伊藤さんは最後に何かありますか?(笑)
伊藤_あれですね、あの…是非本【3】を、買って読んでくれたらすごく嬉しいかな…なんて思っています(笑)
会場_(笑)
原田_幾日から発売でしたっけ、これ?
『OSAMU GOODS CATALOG(宝島社)』の担当編集さん_9月24日です。
原田_あれ、10月じゃなかったの?
担当編集_9月です。
会場_ふふふ(笑)
原田_9月24日発売、だそうです。
伊藤_久々にこう一般書店にも…原田さんの作品が並ぶことになると思うんで。
原田_出ますよね?出ますかね?
伊藤_出る出る。並ぶんじゃないでしょうか。
原田_どういう所に置かれるんでしょうね、これ?置くとこないんじゃないかな、これ?美術書コーナー?
担当編集_学習コーナー、新刊コーナー。
原田_新刊コーナーに出してもらえるといいですね。大概美術コーナーっていうのは、大型書店だと一番奥の方なんですよね。
伊藤_そうですね!
原田_誰も人がいないんだよ。
内田_Amazonですごく成績がいいって…ネットで。新着ランキング1位ですか。
担当編集_あぁ。
原田_あぁAmazonね、今はそっちの方でしょうね。
内田_Amazonより弥生美術館の方が…
会場_(笑)
内田_じゃあ、先生、最後にお願いします。
原田_この展覧会そのものが、あの…土井さんのおかげで出来たようなものですから…もし土井さんがコレクションをしているのを知らなければ、たぶん出来なかったので、やるやらないの話ではなくて、出来ませんっていうふうになったと思うんです。ですから、僕は土井さんにすごく感謝しております。また、こういうのをやるかどうかは知りませんけど(笑)
会場_(笑)
原田_とりあえず、やれて良かったなぁと。楽しかったです。どうもありがとうございました。
内田_本日はどうもありがとうございました。
会場_拍手

【3】伊藤さんがアートディクションを担当した『OSAMU GOODS CATALOG(宝島社)』はOSAMU GOODSの魅力を余すことなく詰め込んだファン必読の一冊。

 

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